小学校3年の幼少の折より近視眼鏡もち、父子代々どうあっても遺伝的に眼球が前後に伸びる(※眼軸長が伸びる)体質を持つ強度近視一族に生まれたプラベ、30代突入を前に先日、ICL手術を受けました。ICL(眼内永久コンタクトレンズ)手術といいますのは、多分ググッていただいたほうが詳しくわかるかと思うのですけれど、『眼球表面を3mm程度切開して、埋込レンズを水晶体の前に挿入して近視を改善する手術』です。義眼ではないですが、さながら疑似オーベルシュタイン体験といったところでしょうか。
角膜を削る手術であるレーシックの方が、安いこともあって一般によく知られていると思われます。ICLには、割高な代わりにレーシックより優位な点がいくつかあるのですが、私の場合、角膜が薄い上に強度近視ということで施術不可となりました。ここではその差異について割愛します。
眼鏡やコンタクトレンズをしないで過ごせるようになることは、私の長年の願いでありました。私のおめめ、本当はとても大きいのですが、近眼鏡によって外側からは縮小されて見えてしまいますし、メイクは一苦労ですし、(眼鏡を外さないといけない)プールも海も風呂もなんも見えない。つらい。そして、目については劣悪遺伝子なものの、幸いなことに歯並びは生まれつき整っています。なんなら親不知すら生まれつき2本なく(※レントゲン撮影にて判明)、残る2本も抜歯する必要がない状態で生えている超優秀遺伝子。必要な施術が歯列矯正であれば総額100万かかる場合もあるとか。「それなら50万で目を治すのもいいのでは?」と考えました。当方田舎住みで車もそろそろ使えるようにしたいところではありましたが、眼鏡がないと家の中すら見えない私は災害時とっさに逃げられるとも限りません。逃げ遅れて死んだら貯蓄や車があってもそこまでだ。まずは、30になる前に近視という障害を打ち払うことにしました。
ICLは、日本で施術が始まってから6周年ほどとのことで、10年後20年後どうなるかは日本の誰も知りません。まあ、今だって日々しにたくなる気持ちを乗り越え続けておりますし、問題が起きたらそのとき考えればいいかと。ちなみに、近視もちはそうでない人に比べて鬱傾向が強いそうです。わかりみが深い。
私自身も同期のICL手術体験談ブログ記事に助けられたので、誰かの助けになる・または知的好奇心を満たせることを願って、手術前から一週間後検診までの記録をここに残しておきます。
概要
私(患者)の情報
- アラサー女性
- 一人暮らし(付き添い要員なし)
- 両目 -7.5D(視力0.1未満)→ 各眼1.5
- 無視できる程度の軽い乱視あり
- 基本眼鏡で生活していた
- 遠方居住
施術病院
- 品川近視クリニック
紹介割引券が欲しい方、発行しますのでご連絡ください。レーシックにも使用可能です。→ お問い合わせ
施術内容
- 近視度数-5D 以上(以下では?)向けICL手術
- 乱視なし
支払い金額・方法
- レンズ代金 19万円 → カード一括
- 手術代金 31.7万円 → ゼロ金利60回ローン(銀行引落 5,200円/月)
- 紹介券適用 -3万円
総額:507,000円(紹介券なしの場合は537,000円)
貯金はたくつもりだったので一括で払えないこともなかったのですが、ゼロ金利の借金なら期限ギリギリまで借りておくといいって経済の本に載ってた。クレカのポイント還元おいしいです。
ちなみに、これらのレンズ代金と手術代金ですが、保険非適用とはいえいずれも「医療費控除」の対象となります。必ず領収書を確定申告用にとっておく。
手術まで・術後の日程と所要時間
- 事前検査日:2020/6/6(6~8時間)
- 地元眼科での網膜剥離手術日:6/25、6/29(後述)
- 再検査日:7/23(1~2時間)
- 手術日:8/12(5~6時間)
- 翌日検診:8/13(2~3時間)
- 一週間後検診:8/18(30分~1時間)
以降、問題なければ 1ヶ月後・半年後・以後1年毎 に検診をうける予定。3年後までの検診費と、もしもの時のレンズ交換費は手術代金内(追加費用なし)にて対応してもらえる。
手術まで・術後の詳細
事前検査
事前検査は無料で受けられます。どの手術が適当か、やっても問題ないかを徹底的に調べるため、長い長い時間をかけて検査します。また、通院している場合、視力矯正手術をしても問題ないか(例えば処方薬が麻酔や抗生剤と相性の悪いものではないか)、その病院から診療情報提供書を発行してもらう必要があります。私は精神科に通っているので、そちらで書類を出して貰って持って行きました。混雑具合によりますが、所要6~8時間くらいでしょうか。瞳孔を開く目薬を点眼し、5時間程度は縮小できない状態となるため、明るい場所の視界が非常に悪くなります。車の運転不可。徒歩でも安全確保が若干きつい状態でした。スマホを見るのもきついので、目を使う作業は翌日に持ち越しました。
私の場合、ここで眼底検査にて両眼に網膜剥離の前兆があることが判明しました。これは強度近視の人間に大体あるそうです。地元の眼科でレーザー手術等を受け、医師のOKと診療情報提供書を受けられたら再度検査することとなりました。
地元眼科での網膜剥離手術
地元でレーシックの術後検査を請け負っている眼科さんがあると人伝に聞き、そこにいって、網膜剥離を治療してほしい旨と、あとあと品川近視でICL受けたい旨、問題なければ品川近視宛てで診療情報提供書を書いて欲しい旨を、口頭で説明すると誤解ありそうなので事前にまとめて印刷して持ち込み、受診しました。
両眼レーザー手術(網膜光凝固術)、健康保険適用後総額10万円。ひえー。
しかし幸いなことに、入っていたいくつかの共済とか社内保険とかのお陰で総額15万円出して貰えました。入っていて良かった、医療保険。
ちなみに、両眼を同じ日に手術すると保険金的に損する(※両眼別々の手術にも関わらず1手術分の保険金しか出ない)うえ、網膜をレーザーで焼かれて前が見える訳もなく帰宅困難になるので、かならず別々の日に片眼ずつ手術を受けると良いです。私はとくに申告していませんでしたが眼科さんのほうで別日程にしてくれました。
2週間後にレーザー手術の経過観察をうけ、問題ないとの確認後、「ICL手術後3週間後にこっちにも来てね」との約束とともに診療情報提供書を頂戴しました(※書類は保険適用外ですが数百円程度)。
再検査
ふたたび品川近視クリニックに赴き、再検査へ。事前検査日から3ヶ月以内に条件を揃えられたので検査内容を流用でき、今回はそこまで時間かからず(とはいっても3時間は見ておいたほうがいいですが)。レンズの発注・レンズ代金カード支払い・銀行印を使っての手術代金ローン手続き・手術の予約を済ませ、この日は終了。手術日の翌日に翌日検診がありますので、手術用のお休みは2日必要です。遠方居住者は手術日のみ公共交通機関交通費を1万円まで支給してもらえるので、最初は宿泊を考えていましたが止めました。止めて良かったです。術後、まともに目が見えなかったので……。
早く終わったのでイゼルローン・フォートレスを当日予約し、久々に着任してから帰りました。
手術日
手術は午前中になったので、早起きして新幹線に乗って行きました。予約時間の1時間半前からは飲食禁止のため、早めの朝食後は水すら飲まずに向かう。終わったのは確か14時くらい。瞳孔をギンギンに開いて手術に備えなければならないため、いつもより入念に目薬を点眼しながら待ちました。
荷物は鍵付きロッカーにしまっておき、冷房がガンガンに効いた手術室にて手術を受けました。くしゃみなどしないよう、毛布をかけてもらえました。手術は片眼につき10分~15分ほど。しかしその間、局所麻酔のみで意識はバッチリありますし、指示以外で絶対に目も頭も動かす訳にはいかないので、大変緊張しました。事前の目周りの消毒は涙がちょちょぎれるほど粘膜に染みましたが、麻酔はよく効き、術中は違和感が多少あったくらいで痛みませんでした。心の中で南無八幡を唱えながら三カ所の光源の真ん中を必死で凝視しつづけ、無事に手術終了。なんか「目の中を洗います」とか恐ろしい言葉が聞こえた気がした。
術後、抗生剤などを飲み、1時間ほど休憩室で休みます。緊張しすぎて喉がかれていた。左目が右と比べて異様にゴロゴロして痛くて焦りましたが、切開した傷口が痛んでいた模様。痛み止めをもらって間もなく痛みが収まり、心配されていた眼圧も正常でした。検査後、翌日検診とその後の説明をうけ、処方薬・1週間かけつづける保護グラス・寝るときに顔に貼り付ける透明眼帯・テープを受け取り帰宅。手術直後からレンズのおかげで人の顔、看板などがよく見えるようになりました。
しかし外に出れば、世界が真っ白に光り輝きすぎて前が見えない。(※瞳孔を開く薬の影響)日傘もってきていてよかった……!本当によかった……!
あれ、スマホ、読めない。新幹線の切符が読めない。私、何に乗ればいいんだ?こだま?ひかり?何号車って書いてある?座席どこ?おかしいな、看板はすごくよく見えるんだけど……。
いや、もう、ほんと。よかった泊まらなくて。この状態で初見の場所になんか絶対行けませんでした。可能ならば付き添いがいるといいですね。まあ、切符くらいならその辺の人をつかまえて読み上げて貰ってもいいでしょうし、結局なんとか自分で読み取って帰れましたが。
手術当日は、3種類の目薬を1時間ごとに点眼して過ごします。「手術当日は見る系ぜんぶ無理だから帰ったらすぐ寝ちまえ」(※要約)って説明書に書いてあるので、帰ってシャワッてすぐ昼寝しました。寝るときは保護用眼帯をテープで顔に貼り付ける。テープはバッテン形に貼るので目が隠れますが、意外と前が見える。翌日から1週間後検診までは、同じ目薬を1日5回点眼して過ごします。
手術から1週間後検診までの間、頭髪や顔を洗うことができません。首から下のシャワーのみ可能です。頭髪は、翌日検診で問題なければ美容室などで洗髪してもらうことは可能(目に飛沫など入らないよう要注意)。保護用グラスはシャワー中もかけるとのこと。この季節に頭が洗えないのつらかったです。顔は、洗顔シートを買ってきて目に注意しながら拭きました。
ちなみに、術後1ヶ月程度はプールやジムなど激しい運動を控える必要があるそうです。引きこもりだから余裕。
翌日検診
翌日検診にも新幹線で午前中に赴きました。一晩ねむったら、スマホと切符も読み取れるようになりました。世界の解像度が高い。事前に説明のあったハロ・グレア?でしょうか、車のミラーやメタル部分の強い反射光を見ると、光輪が見えます。これはレンズ中央の孔によるものだそうです。きれい。それ以外に視界に違和感はなく、非常に良好です。
しかし、検査してみたところ、術後経過も視力も良好なものの、かねてより懸念していた「目の大きさに対してレンズが小さいため、接触はしていないが、水晶体との隙間がなさすぎる」問題が発覚(※これは事前検査の時点で言われていて、品川近視で取り扱い可能な最大サイズを挿入した)。水晶体と接触してしまうと、白内障の発生リスクがある。レンズを取り出して、なんとかもう一回り大きいレンズを取り寄せられないか、あるいはフェイキックIOL(※虹彩の前にレンズを縫い止める前房型)に切り替えるか……などとお話をいただく。ひええー。
せっかく盆休みで済ませられるように日程くんだのに、再手術となったらいつやろう? 前房型だと片眼ずつしか手術を受けられないし、値段ってICLより高かったっけ……(※一緒でした)。などと不安に過ごす。なんとか大きいICLレンズがあればそれで……。
待機後に再度同じ先生に呼び出されて話を聞いたところ、「手術担当によるとチン小帯(※水晶体を支える筋肉。焦点調整を担う)が弱っているため、下手にレンズを取り出して刺激するよりかは、現在レンズと水晶体が接触していないので経過観察としたほうがよい」とのこと。また、「正常であれば地元の眼科さんで以後の検診を受けてもらうところだが、あなたは念のため今後も品川に来て」とのことでした。
うーん、とっても不安ではあるけれど、レンズがあろうと無かろうと私の目はハイリスク眼球だから……これからも気をつけて眼科かよえばいいよね。どのみち、強度近視持ちは常に網膜剥離・緑内障の危機にさらされるので、年1で眼底検査うけたほうがいいらしいですし。コロナは怖いが、たまに東京に来る予定もあるほうが息抜きになるし、ついでにイゼロ着任していけばいい。
そんな訳で、「よく注意しつつ現状維持」ということになりました。眼鏡はまだ捨てないでおこう。
余談ですが、部屋の汚れがとてもよく見えるようになってしまったため、ちかぢか大掃除になりそうです……。
1週間後まで
頭が洗えないのマジでつらい。頭が痒い。手術4日後、あきらかにフケか汗塩らしきものが頭髪の根元にびっしり貼り付いていている。いやああああ。
どれだけ精神が落ち込んでいても風呂にだけは欠かさず入る体質なもんで、じわじわと洗髪不可のダメージが……耐えろ、明日は美容室の予約とれてるから……!
1週間後検診
視力と眼圧を検査し、医師の診察を簡単に受ける。問題なし。この時点での裸眼視力、なんとそれぞれ1.5。ちょっと見えすぎではありませんか……?1.0前後で全然よかったのですが……まあ見えてしまうものは仕方ありませんね。この日は30分ほどで終了し、次回1ヶ月後検診の予約を入れた。1ヶ月後検診ではまた瞳孔を開く目薬を使用するため、まぶしさ対策と車のれなくなることを意識しておくようにとのこと。次の検診までは、新たに処方された2種類の目薬を1日4回点眼して過ごします。晴れて保護ゴーグル暮らし、洗髪・入浴不可の生活から解放されました。
やっと頭が洗えるやっと頭が洗えるやっと頭が洗えるやっと頭が洗えるやっと頭が洗えるやっと頭が洗える
やっと掃除ができるやっと掃除ができるやっと掃除ができるやっと掃除ができるやっと掃除ができるやっと掃除ができる(※掃除を禁止されてはいないが、目に色々入りそうなので避けていた)
次の1ヶ月後検診以降につきましては、気が向いたら記事を追加する形で更新しようと思います。
まとめ
私の目がそもそもハイリスク眼球であることも要因ではありますが、保険外診療なだけあって、リスクに次ぐリスクに次ぐリスクを背負ってメリットを手に入れる感じでした。私自身も絶対失敗しないよう合併症を発生しないよう全力で気を配っていましたし、馴染みの八幡神社に参拝してとう○ぶ以上にお賽銭課金しました。
現在の視界は非常にクリアで、体感としては問題ありません。レンズと水晶体との距離問題は今後も要注意ですが、「こんなに世界は美しかったのか」みたいなものを実感しております。そして「うそ、私の部屋、汚すぎ?」とも(笑)。視力が1.5とか、6歳児くらい以来な気がします。
やるには相応の覚悟とお金が必要ですが、その代わり、うまくいったときのリターンは大きいでしょう。
もし、この記事を見て「自分も受けよう」と決められた方がおられましたら、紹介割引券をお渡しできますので、ぜひご相談ください。記事だけでは分からなかった、詳しく尋ねたいことなどについてもできるだけお答えします。